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タマゴのSE汚染率は? |
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現在のわが国における殻つき卵のSE汚染状況は不明です。10数年前の調査では、1万個に3個くらいの汚染卵が見つかりました(1992、仲西ら)。同じ時期の米国の調査でも同様な結果でした。現在の汚染率はかなり減少しているものと期待されています。
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日本人がSE汚染卵に出会う確率は? |
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これは毎日1個ずつタマゴを食べ続けて10年間に1回出会う確率です。日本のタマゴ消費が国民1人当たり1日約1個ですから、汚染卵に出会うことは少ないといえます。しかも、汚染卵1個に含まれるSE菌数は数個ですから、例え、生(なま)食をしたとしても食中毒になることはないといえるでしょう。
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なぜ大型の食中毒? |
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しかし、わずかな汚染卵に含まれる少ない数のSEであっても現実にSEによる食中毒は今も起きています。その原因は、養鶏場から食卓までの間のどこかでSEが増殖するからです。主には、調理の段階から人の口に入るまでの間でタマゴが不適切に取り扱われることが問題とされており、生きた菌が調理済みの食品の中で増えてしまう場合に大規模な食中毒が発生します。
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公衆衛生上の対策? |
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公衆衛生の立場からのSE食中毒対策には、他の食中毒と同様に次の基本3原則が重要です。
「2)増やさない」と「3)やっつける」は、確かに[流通]や[調理]の問題ですが、「1)持ち込まない」という点では生産者の責任が問われます。現在、食中毒が発生するとその原因食材の調査が農場にまで及びます。いわゆる[トレーサビリティー]で、今後この点については消費者の関心が高まり生産者の認識が重要になります。 |

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小規模なSE食中毒 |
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ある10人家族の家庭で9人が次々と食中毒症状を訴えました。患者のうち7人からSEが検出されました。その朝、この家庭では、現地直送の銘柄タマゴをみんなでぶっかけご飯にして食べていました。最終的に、食中毒と銘柄タマゴの因果関係には結論が出ませんでしたが、生産者にとっては重大な関心事です。
SE食中毒事例ではたくさんの患者が出るのが特徴ですが、一方で家庭内の小規模な食中毒事例も多く報告されるようになりました。小規模食中毒は恐らくこれまでも結構あったのでしょうが、消費者の注意が行き届くようになったことと、検査体制が強化された結果発見される機会が増えたと考えられます。 |