鶏舎の清浄化対策について 

「ウインドウレス鶏舎の羽毛・粉塵等拡散防止及び鶏舎・機器の清浄化対策マニュアル」
SE食中毒が発生するメカニズムとその対策

 鶏舎内の粉塵は、飼料や糞の粉が大半であり、特に除糞時に鶏舎内に多く浮遊します。また、 粉塵には細菌や臭気物質などが付着されていることが多く、鶏の疾病や悪臭の発生要因になる ことが考えられています。
 鶏の疾病予防や悪臭抑制のためには、鶏舎内を常に清潔にする必要がありますが、実態と しては鶏舎内に設置されている機器は水洗・消毒の困難な構造が多く見られています。特に、 換気扇については平成18年度本事業の現地調査によれば水洗・消毒を行う割合が半数を 下回っています。
 そこで、粉塵等の汚れが付着しにくく、また付着した汚れについては簡単に洗浄できることを 目標において鶏舎用換気扇の表面に撥水処理または帯電防止処理を施し、有効な対策であるこ とを明らかにしました。
 これらの対策は鶏舎機器や配電盤などの表面処理にも適用でき、疾病 対策や悪臭抑制、機器の性能維持に貢献するものと思われます。


換気扇の粉塵付着防止の方法

 粉塵は、堆積や湿気を帯びて物体に付着したり、静電気により帯電して物体に吸着します。
 静電気を防止するには機器をアースするのが効果的ですが、ほとんどの機器は防錆のため 塗装(絶縁材料)処理をおこなっていますのでアースだけでは効果が低くなります。
 そこで、撥水効果(簡単に付着した粉塵を落とす)を期待したフッ素系材料と静電気を防止 するための帯電防止剤(導電性物質含有)を換気扇表面にコーティングしたものを製作しました。



粉塵付着試験

 試験に使用する粉塵は、鶏舎の粉塵が1~5μmの粒子径が多く、かつ1~5μm粉塵と空中 浮遊細菌濃度との間に高い相関関係が認められることにより、JIS試験粉体11種(粒径1~5μm) を使用しました。
試験方法は、チャンバー型試験室に換気扇を設置し、換気扇運転状態で吸気側より粉塵 (1kg)を入れ、従来品及び試験品との粉塵付着量の比較を行いました。



 粉塵試験後、換気扇に付着した粉塵を採取して重量測定を行った結果、表1に示すとおり 撥水処理をおこなった換気扇がもっとも粉塵付着が少なく、次いで帯電防止処理、従来品という 結果になりました。



粉塵洗浄試験

 試験方法は、チャンバー型試験室で試験した各換気扇を高圧洗浄ガン(圧力35kg/cm2)で 洗浄し、付着した粉塵の落ち具合を目視観察しました。
 その結果、洗浄試験でも効果が高かったのが撥水処理であり、次いで帯電防止処理、従来品 の順となりました。





ウインドウレス鶏舎の排気中の羽毛・粉塵を捕捉する自走式ネットスクリーン装置 汚れにくく簡単に洗浄できる鶏舎用換気扇
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