食べてもかまわないが、血液が大量を占めるものは食用不適とされている
血液(血斑)は、鶏に対する投薬や特殊な飼料原料の給与あるいは病気によって卵中に入り込んだわけではなく、正常な鶏の産む卵にみられるものです。また、肉様物質(肉斑)は卵殻色素に由来したもので、卵殻色素のプロトポルフィリンは赤血球のヘモグロビンがヘマチンに変わり、主として肝臓で胆汁色素となって血流により卵殻腺に運ばれて分泌されたものですから、人体に害のあるものとは考えられません。
したがって、一般的には血斑、肉斑のいずれを食べてもかまわないといえます。食卵の格付に規格値を与える合理主義的なアメリカ合衆国農務省規格におきましても、血斑、肉斑ともに直径が8分の1インチすなわち約3.2㎜以下で数が少ない場合には正常卵とみなしています。ただし、血液を大量に含む卵、有精卵で胚が発育して血液環(リング状の血液)を生じた卵などは食用不適当とされます。また、液卵加工用には血斑、肉斑ともに除去した卵液を使います。