第7回高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会の概要について

プレスリリース

平成18年9月28日

農林水産省

第7回高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会の概要について

 


日 時
平成18年9月28日(木)13:30~16:00
場 所
イイノビル飯野第1会議室
住所 東京都千代田区内幸町2-1-1
会議概要
 
(1) 高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームにより、「2005年に発生した高病原性鳥インフルエンザの感染経路について」が以下のとおり取りまとめられた。なお、報告書の概要については別添のとおりであり、全文については、後日、農林水産省ホームページに掲載予定。
 
 発生の特徴
  今回、茨城県で発生した弱毒タイプの高病原性鳥インフルエンザ(H5N2亜型)は、2004年の強毒タイプの発生(H5N1亜型)と異なり、以下のような特徴。
[1]  原因ウイルスが中米で分離された株に極めて近縁
[2]  日本の近隣諸国において、今回の発生株に近縁な株による発生がない
[3]  発生が茨城県南部に限局
[4]  今回分離されたウイルスは抗原性がほぼ一致
[5]  原因ウイルスは、自然宿主である水きん類よりも鶏に適応し、感染性は強いが臨床症状を示さない
 感染源・感染経路
 
[1]  ウイルスの由来・侵入経路については特定することはできなかったが、ウイルスの性状、発生地域が限局していること等から、原因として中米由来ウイルス株から作出された未承認ワクチン又はウイルスそのものが持ち込まれて不法に使用された可能性は否定できない。
[2]  少なくとも2005年5月中旬かそれ以前に初発農場へウイルスが侵入。どの地区での発生が早かったか推定することは困難。
[3]  疫学調査の結果、一部の農場は、農場間で鶏を移動することにより伝播した可能性が高い。その他、近隣伝播、人・物の出入りなどが伝播の主要な原因と推察。
(2) 本報告書を取りまとめるに当たり、本チームの委員から以下のような指摘があった。
 
 今回の茨城県下等における発生は、弱毒タイプによる発生であったが、引き続き、農場の飼養衛生管理の徹底、鶏に異常が発生した場合の速やかな通報体制の強化及び全国的なサーベイランスの継続的な実施を行うことが重要である。
 高病原性鳥インフルエンザ弱毒タイプの発生に対しては、以下の点に留意すべきであると考える。
 基本的には、家きんの殺処分を原則とした強毒タイプの発生対応に準拠して防疫措置を行う。
 今回、鶏から抗体のみが確認された農場については、厳格な飼養衛生管理がとられ、ウイルス拡散防止措置が図られることを条件に、鶏を直ちに殺処分しない「農場監視プログラム」により防疫措置を図り、周辺農場への伝播は認められなかったところである。
しかしながら、本プログラム実施中の一部農場において、監視のために導入したおとり鶏からウイルスが分離された例があったことを踏まえると、今後の発生において本プログラムを実施する場合には、監視用おとり鶏の導入による厳格なモニタリングを必ず併用することが重要である。


【問い合わせ先】
 農林水産省消費・安全局動物衛生課
 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1
  担当:小倉(内3008)星野(内3220)
  TEL:03-3502-8111(代表)、 03-3502-8292(直通)
  FAX:03-3502-3385

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