[資料3] 全国一斉サーベイランス【Q&A】
資料3
全国一斉サーベイランス【Q&A】
(問1) 全国一斉サーベイランスの趣旨・目的は何ですか。
(答)
1 昨年の山口県、大分県及び京都府における高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、毎月、1家畜保健衛生所(家畜保健衛生所は全国で178か所)当たり1農場について、本病の検査(モニタリング)を実施してきました。
2 このモニタリング調査では、弱毒タイプも含めて国内での発生例は確認されていませんでしたが、今般、茨城県下の採卵鶏飼養農場において、感染した鶏に明確な臨床症状をもたらさない弱毒タイプのH5N2亜型のA型インフルエンザウイルスが確認されました。
3 このため、国内の他の地域においても、この種のウイルスが存在する可能性は否定できないことから、より的確な防疫措置を講ずることができるよう、本ウイルスの全国的な浸潤状況を把握することとしました。
(問2) どのような農家を選定するのですか。
(答)
1 今回のサーベイランスでは、無作為抽出により調査対象農家を選定します。
2 したがって、調査対象となった農家の発生リスクが高いわけではないことを十分ご理解ください。
(問3) 本ウイルスの浸潤状況の調査結果が判明するまで、鶏卵の消費を控えたほうが良いのですか。
(答)
1 鶏卵・鶏肉を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていません。
2 まして、今回の弱毒タイプのウイルスについては、人への感染事例も知られていないことから、鶏卵の消費を控える必要はありません。
3 このように、鳥インフルエンザに関する正しい知識に基づき、冷静な対応をお願いします。
(問4) 今回のサーベイランス結果について、流通業者等から陰性証明書の 交付を求めることはできるのですか。
(答)
1 今回のサーベイランスはウイルスの浸潤状況を把握するためのものであり、個々の農場の陰性を証明するものではありません。
2 検査証明書の交付が農場の陰性証明のように受け取られることは、鶏卵流通に無用の混乱を招くおそれがありますので、個々の農場の清浄性を検査するための調査ではないとの趣旨を十分理解いただいた上での対応をお願いします。
(問5) 検査農場数を、一部の県で6割以上とし、その他の都道府県で3割以上としたのはなぜですか。
(答)
1 弱毒タイプのインフルエンザウイルスの伝播の態様等については、十分な知見がないことから、統計学的に対象農場数を定めることは困難です。
2 今回の茨城県での発生事例では、移動制限区域内(半径5㎞)の18農場のうち、抗体陽性農場は発生農場を含め6農場(区域内浸潤率は約3割)であったことを参考として、全国的には3割以上を検査対象としました。
3 一方、茨城県及びその周辺県(福島県、栃木県、群馬県、埼玉県及び千葉県)については、今般のウイルス確認事例と地理的にも近いことから、その2倍の6割以上としました。
(参考)
現行モニタリング:1家畜保健衛生所当たり1農場 178農場
↓
本サーベイランス:採卵鶏飼養農場の6割又は3割 1,487農場(平成16年2月、畜産統計)
(問6) サーベイランスの実施規模は十分なのですか。
(答)
1 本ウイルスの浸潤状況を調査するためには、全戸調査することが理想ですが、今回のサーベイランスは、人的・物的な制約がある中、できる限りの努力をすることとしています。
2 このため、例えば、これまで行ってきた、モニタリングと比べれば、全国で約8倍、茨城県周辺で約21倍にもなる膨大な調査を行うことにしています。
(問7) なぜ肉用鶏(ブロイラー)は調査しないのですか。
(答)
1 肉用鶏(ブロイラー)は、通常、約60日齢で鶏舎ごとに全羽出荷し(オールインオールアウト方式)、出荷後には、鶏舎を洗浄・消毒しています。
2 一方、採卵鶏の飼養期間は1年半から2年と長いことから、過去の感染も含めてウイルスの感染動向を把握するためには、採卵鶏が適していると判断しました。
(問8) 血清抗体(寒天ゲル内沈降反応)検査では何がわかるのですか。
(答)
抗体検査(寒天ゲル内沈降反応)で陽性の場合には、A型インフルエンザウイルスに感染していたと判定されます。しかしながら、その血清亜型(H5かH7か、あるいはそれ以外)までは判定できないため、追加検査(HI試験等)によりどの血清亜型のウイルスの感染によるものか等を判定することにしています。
(問9) 全国一斉サーベイランスの検査方法をウイルス自体を検出するウイルス検査ではなく、抗体検査にしたのはなぜですか。
(答)
1 抗体は一度ウイルスに感染すると長期間検出されますので、ある鶏群の過去の感染にまで遡って調査するには合理的な方法です。もちろん、抗体検査で陽性の場合には、直ちにウイルス検査等を実施することになります。
2 なお、立入時の聴取等により何らかの異常が確認された場合には、速やかにウイルス検査等も実施する必要があると考えています。
(参考)
ウイルス検査:
ウイルス自体を検出する検査で、鳥インフルエンザウイルスの場合、ウイルスの遺伝子を検出するPCR検査と鳥から採材した材料を鶏卵に接種して生きたウイルスを検出するウイルス分離検査があります。
(問10) 抗体検査(寒天ゲル内沈降反応)で陽性事例が確認されたら、 防疫対応はどうするのでしょうか。
(答)
1 寒天ゲル内沈降反応で陽性となった時点では、高病原性鳥インフルエンザ(H5又はH7)の感染によるものかどうか確認できないため、直ちに追加検査(抗体の確認、ウイルス検査等)を行い、その結果、高病原性鳥インフルエンザの感染によるものと確認されれば、専門家からなる家きん疾病小委員会の意見を聴き、防疫指針に即した対応(飼養鶏の殺処分、周辺農場の移動制限)を講ずることになります。
2 なお、寒天ゲル内沈降反応で陽性と判明してから、追加検査により高病原性鳥インフルエンザか否かが確認されるまでの間については、抗体陽性農場の状況等を踏まえ、衛生管理課と協議の上、念のための防疫対応を速やかに決定することにしています。
(問11) 検査結果の公表はいつ行うのですか。
(答)
検査結果については、衛生管理課において、全国分を取りまとめ、基本的には、翌週金曜日に公表することとします。しかし、当然のことながら、高病原性鳥インフルエンザと判定された場合には、その事例について直ちに公表することとしています。
(問12)
このサーベイランスで高病原性インフルエンザの陽性事例が数多く確認された場合には、今後の防疫対応はどのようにするのですか。
(答)
1 今後の防疫対応やモニタリングのあり方については、今回の全国一斉サーベイランスの結果を踏まえ、家きん疾病小委員会の意見を聴き、検討する予定です。
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2 また、ワクチン接種の必要性についても、家きん疾病小委員会の意見を聴き、適切に対応することとしている。 | ||
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