別紙:「鶏卵の表示に関する実態調査について」の送付について

平成16年11月30日
公正取引委員会


鶏卵の表示に関する実態調査について



 近年、一定のブランド名の下、鶏卵のパックやパックに貼付されたラベル等に、栄養成分、安全・衛生、鶏の飼育環境等を示すことにより、鶏卵の品質等が優れていることが強調して表示された鶏卵(以下「ブランド卵」という。)の消費量が、一般消費者の健康志向、安全志向等を背景として、増加傾向にある。そうした中、これらブランド卵の表示には、一般消費者には分かりにくいものが多くみられる。
  このため、公正取引委員会は、一般消費者の適正な商品選択に資する観点から、ブランド卵の表示に関する実態調査を行い、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)上の考え方を整理し、取りまとめた(別添参照)

1 調査方法
(1)  ブランド卵105点を収集し強調表示の態様を分析
(2)  消費者モニター500名に強調表示から受ける認識についてアンケート調査
(3)  学識経験者、鶏卵を生産・販売する事業者の団体等からヒアリング調査


2 表示例
  
強調表示の態様 表 示 例
栄養成分に関する表示
ビタミンDが普通のたまごの2倍
ミネラル豊富なわかめを加えた植物性主体飼料
安全・衛生に関する表示
卵殻オゾン殺菌済
特定病原菌フリーの清浄地卵
各種ホルモン剤、抗生物質などのクスリは使用しておりません
トウモロコシ・大豆粕は遺伝子組換えをしていません
収穫後農薬を使用しない清浄なトウモロコシがエサの主原料です
安全を確認するためのトレーサビリティコード
鶏の飼育環境に関する表示
○○(地名)の自然の恵みいっぱいのたまごです
大地の上でのびのびと平飼いされた鶏



問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部消費者取引課


電話 03-3581-3376(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp



3 景品表示法上の考え方等
   ブランド卵のパックやパックに貼付されたラベル等には、一般消費者の健康志向、安全志向等に訴求する様々な強調表示が行われており、ブランド卵について、一般消費者は、品質等が優れていると認識する状況がうかがえる。
  したがって、ブランド卵を生産・販売する事業者は、①一般消費者に誤認される表示や誤認されるおそれのある表示を行わないよう、ブランド卵の品質等について、合理的な根拠に基づき適切な表示を行うことが必要であり、さらに、②一般消費者の適正な商品選択に資する観点から、当該表示の意味や根拠が一般消費者に容易に認識されるよう明りょうに表示することが望ましい。
4 今後の対応
   (1)  不当表示への厳正な対処
     公正取引委員会としては、ブランド卵の表示について、一般消費者に誤認されるおそれのある表示が行われている事案に接した場合には、厳正に対処する。
  (2)  事業者の自主的な表示適正化の取組への要望及び支援
     一般消費者に分かりにくい表示がみられたこと、鶏卵業界における表示の適正化に向けた取組が行われていることから、当該適正化をより実効性をもって進めていくため、鶏卵を生産・販売する事業者の団体等を会員とする中央鶏卵規格取引協議会に対し、今回示した景品表示法上の考え方を踏まえ、鶏卵業界において、公正競争規約等の設定を行うよう要望した。
  また、公正取引委員会としては、鶏卵業界における自主的な取組について、必要な情報提供を行うなど積極的に支援していくこととしている。



[ 別添 ] 鶏卵の表示に関する実態調査について [ FlashPaper ]

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