鳥インフルエンザ対策国際シンポジウム


鳥インフルエンザ対策国際シンポジウム
―AIワクチンの理論とノウハウを学び、まん延を防げ―


開催の趣旨
 79年ぶりに発生した高病原性鳥インフルエンザ(AI)は現在一応の鎮静化を見ていますが、感染経路がいまだ解明されていないこと、アジア各国にまん延していることなどを考えますと、今後いつどこで発生してもおかしくない状況にあります。とくに今秋以降、養鶏密集地帯での大発生について懸念されています。
 鳥インフルエンザの発生は近年世界的に急速な増加傾向にあり、各国でも大きな被害を出しています。各国ともその制圧に苦労していますが、今後、ワクチンが重要な防疫対策として注目されています。とくにイタリアはDIVAシステムを導入したワクチン使用により、鳥インフルエンザの制圧に大きな成果をあげたことが国際会議において報告されています。また、メキシコや米国、香港、中国などでもワクチンを使用した事例が報告されています。
 このような世界の鳥インフルエンザ防疫対策の最新の動向を聞くことにより、早急にその理論とノウハウを学びとり、次の発生に備えるべきではないかと思います。秋まで問題を放置することはできないという考え方にたち、この時期に、海外において鳥インフルエンザ防疫対策の経験を有する第一線の研究者を招き、鳥インフルエンザ対策について国際シンポジウムを開催することとしました。シンポジウムでは各国の鳥インフルエンザ防疫対策の現状と課題、とくに防疫対策におけるワクチンの果たしている役割、鳥インフルエンザのウイルス変異による人感染型の出現の可能性などについて論じてもらいます。

テーマ   鳥インフルエンザ対策先進国に学ぶ防疫戦略
―ワクチン使用問題を中心としてー
主 催   日本鶏卵生産者協会
後 援   (社)日本養鶏協会
日 時   6月15日(火)午後1時 ~ 4時30分
場 所   海運クラブ2階ホール
(東京都千代田区平河町・海運ビル TEL03-3264-1825)


コーデネーター
小澤 義博 氏(OIE{国際獣疫事務局})名誉顧問
ビデオメッセージ 
イラリア・カプア博士(イタリア国立ベネチア家畜衛生研究所ウイルス部長)
パネラー
ステファーノ・マランゴン博士(イタリア国立ベネチア家畜衛生研究所科学技術部長)
K.F.ショートリッジ博士(香港大学名誉教授)
レスリー・デービット・シムズ博士(アジア・太平洋獣医情報サービス理事)


シンポジウムプログラム
  開 会       1時
  ビデオメッセージ    鳥インフルエンザ感染危険地域での制圧戦略
 
      イラリア・カプア博士   1時10分~1時30分
  シンポジウム   「鳥インフルエンザ対策先進国に学ぶ防疫戦略」
   
      -ワクチン使用問題を中心にして-   1時30分~4時30分


 

 コーデネーター・パネラー紹介


小澤 義博 氏(OIE名誉顧問)
 専門はウイルス学、獣医疫学。国連食糧農業機関(FAO)家畜衛生課長を経て、国際獣疫事務局(OIE)科学最高顧問、OIEアジア・太平洋地域代表などを歴任。家畜伝染病防疫対策の国際的な権威であり、日本における牛BSE対策などにも大きな役割を果たしている。
 
イラリア・カプア博士(イタリア国立ベネチア家畜衛生研究所ウイルス部長)
 専門は鳥インフルエンザ、ニューカッスル病。99~03年にイタリアで発生した鳥インフルエンザの疫学調査に中心的役割を果たすととも、ワクチンと野外感染ウイルスを鑑別するためのDIVAシステムを開発し、同国における鳥インフルエンザ(H7N1)制圧に用い大きな成果をおさめた。OIEでも鳥インフルエンザ専門家として大きな影響力を持っている。今回は来日が困難であるためDIVAシステムによる鳥インフルエンザ制圧のポイントをビデオインタビューで紹介する。
 
ステファーノ・マランゴン博士(イタリア国立ベネチア家畜衛生研究所科学技術部長)
 ベネチア家畜衛生研究所でのカプア博士とともに鳥インフルエンザの専門家。EU常任獣医委員会委員としてEUにおける鳥インフルエンザ調査計画やイタリアでの鳥インフルエンザワクチン接種プログラムの策定に関わる。99~03年のイタリアにおける鳥インフルエンザ防圧緊急計画の調整責任者でもあり、DIVAワクチン接種プログラムの管理・運営・策定に関与した。EU,OIE,FAOの家畜疾病の専門家として世界各国に派遣されている。
 
K.F.ショートリッジ博士(香港大学名誉教授)
 オーストラリア・クイーンズランド大学、ロンドン大学などでウイルス学、細菌学を学んだ後、香港大学教授に就任。香港での研究の中心は鳥インフルエンザで、流行の起源や予測、予防の研究に携わる。97年に香港で発生した鳥インフルエンザに関する研究により98年にプリンス・マヒドール賞、99年にオーストラリアの大学卒業生年間最優秀賞を受賞している。
 
レスリー・デービット・シムズ博士(アジア・太平洋獣医情報サービス理事)
 オーストラリア・メルボルン大学で獣医学を専攻、卒業後、オーストラリア、香港、パブア・ニューギニアなどで広く家畜全般の診断、防疫対策に携わる。92年のオーストラリア・ビクトリア州での鳥インフルエンザ発生に際しては確認・診断などに重要な役割を果たす。93年より香港獣医衛生研究所の責任者を務め、97年、01年、02年の鳥インフルエンザの防疫にワクチン使用の検討など大きな役割を果たす。


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