鶏卵をめぐる情勢(統計)

(1)需給概要
 鶏卵需給は、食生活の高度化・多様化に対応して戦後一貫して増加していたが、平成3年度以降は概ね横ばいで推移。
 国内の供給量は概ね需要を満たす水準で推移。

< 鶏卵需給の推移 > (単位:千トン)
  60 2 7 12 17 18 19 20 21
需要量 2,198 2,470 2,659 2,656 2,631 2,630 2,702 2,646 2,605
生産量 2,160 2,420 2,549 2,535 2,481 2,509 2,589 2,535 2,505
輸入量 39 50 110 121 151 122 113 112 101
資料:農林水産省「食料需給表」、財務省「日本貿易統計」
注 :4年1月より輸入の殻付き卵換算係数を変更。


(2)消費動向
 家計消費は、近年概ね横ばい推移。
 業務・加工用は7年度以降概ね横ばいで 推移してきたが、21年度はやや低下。
 21年度における消費形態は、家計消費52%、業務・加工用48%。
 一人当たり消費量は世界でも最高の水準。

< 一人1日当たり鶏卵消費量 > (単位:g/日・人、%)
  60 2 7 12 17 18 19 20 21
家計消費量 30.7 29.7 29.3 28.5 27.0 27.3 27.6 27.3 27.7
業務・加工用 16.2 22.2 25.8 26.2 26.5 26.1 27.4 26.8 25.6
総消費量 46.9 51.9 55.1 54.7 53.5 53.4 55.0 54.1 53.3
/×100 65.5 57.2 53.2 52.1 50.5 51.1 50.2 50.5 52.0
資料:総務省「家計調査」、農林水産省「食料需給表」
 注 1 :11年度以降の業務・加工用の数値は生産局推計。
 注 2 :21年度は速報値。



(3)供給動向
 生産量は、需要が安定的に推移していることを受け、近年概ね横ばいで推移。
20年度は前年度比2.1%の減少、21年度は1.2%減少した。
 輸入量は、国内の鶏卵需要や価格の動向、為替レート等の影響を受けながら変動しているが、
全需要量の5%程度で推移。
主な輸入相手国は、オランダ、アメリカ、メキシコ等

< 鶏卵生産量 > (単位:千トン、%)
  60 2 7 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
生産量 2,160 2,420 2,549 2,535 2,519 2,529 2,530 2,481 2,481 2,509 2,589 2,535 2,505
前年度比 100.7 99.9 99.4 99.8 99.4 100.4 100.0 98.0 100.0 101.1 103.2 97.9 98.8
年 度
平 均
伸び率
56~60
1.6
61~2
2.3
3~7
0.2
8~12
-0.1
9~13
-0.4
10~14
-0.4
11~15
-0.1
12~16
-0.5
13~17
-0.4
14~18
-0.2
15~19
0.6
16~20
0.5
17~21
0.2
資料:農林水産省「食料需給表」

< ひなえ付け羽数の推移 > (単位:百万羽、%)
  60 2 7 12 17 18 19 20 21
(4-12)
え付け
羽 数
119.6 109.8 105.6 110.6 109.2 108.4 105.9 102.6 76.0
前年度比 101.1 98.5 99.4 103.7 102.9 99.3 97.7 96.8 99.8
資料:農林水産省「鶏ひなふ化羽数調査」

< 鶏卵等輸入量(殻付き換算) > (単位:千トン、%)
  60 2 7 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22
(4-7)
輸入量 38.6 50.0 103.9 120.7 114.5 119.6 110.5 134.3 151.0 121.5 113.3 112.2 100.8 40.6
前年度比 132.2 111.6 105.4 101.4 94.8 104.5 92.4 121.6 112.4 80.5 93.2 99.0 89.9 112.0
輸入量
(殻付き卵)
0.4 1.7 2.0 2.1 1.2 2.6 1.3 3.8 14.0 3.6 1.9 2.3 0.7 0.3
資料:財務省「日本貿易統計」
 注 :殻付き換算
     3年度まで 卵黄粉3倍、全卵粉4倍、液卵1.2倍、卵白1.275倍
     4年度以降 卵黄粉2.2倍、卵黄液1倍、全卵粉4.4倍、全卵液1.1倍、卵白粉8.6倍、卵白液1.2倍



(4)経営状況
 採卵鶏の飼養羽数は、小規模層を中心に毎年減少しており、21年2月1日現在の飼養戸数は3,110戸と前年比5.8%減少。
 成鶏めす飼養羽数は、11年以降減少傾向で推移していたが、19年は増加に転じ前年比4.3%増となったものの、21年は前年比1.8%減の139.9百万羽。
 一戸当たりの飼養羽数は、一貫して増加しており21年は前年比3.5%増の44,700羽。
 21年における成鶏めす羽数規模5万羽以上層の飼養戸数は627戸(全体シェアの22.2%)、飼養羽数は110百万羽(全体シェアの79.2%)。

< 採卵鶏の飼養動向 >  
  60 2 7 11 12 18 19 20 21
採卵鶏
飼養戸数
千 戸 123.1 86.5 7.3 5.4 4.9 3.6 3.5 3.3 3.1
成鶏めす
飼養羽数
百万羽 127.6 137.0 146.6 143.1 140.4 136.9 142.8 142.5 139.9.
一戸当たり
飼養羽数
千 羽 1.6 1.9 20.1 28.3 28.7 37.9 41.3 43.2 44.7
資料:農林水産省「畜産統計」、「家畜の飼養動向」(各年2月1日現在)
 注 :種鶏のみ飼養羽数を除く。
    3~9年は成鶏めす羽数300羽未満、10年以降は成鶏めす羽数1,000羽未満の飼養者を除く。



(5)価格動向
 鶏卵に対する需要は概ね横ばいで推移しており、かつ、約96%を国内で自給しているため、主な価格変動要因は、国内生産量の増減(わずかな生産量の変動が大幅な価格変動につながる)。
 鶏卵価格は、毎年の季節的な需給バランスによる変動(季節変動)と、5~6年を周期とする変動(エッグサイクル)が存在。
 卸売価格は、19年度は、生産量が増加したことから価格が低迷したが、20年度は、生産量が前年を下回ったこと等から堅調に推移した。21年度は、厳しい経済情勢の中で業務・加工用需要の低下により前年度を下回る水準で推移したが、22年度(4-7月)は前年度を上回る水準で推移している。
 我が国における鶏卵の小売価格は、国際的に見ると低い水準。

< 鶏卵価格の推移 > (単位:円/㎏、%)
  60 2 7 12 17 18 19 20 21 22
(4-7)
農家
販売価格
(前年度比)
267 224 173 171 176 174 164 188 168 173
115.8 124.2 114.7 93 92.8 99 94.1 114.7 89.2 108.8
卸売価格
(前年度比)
279 241 197 185 186 184 167 193 175 179
115.8 120.5 116.6 92.5 90.7 98.9 90.8 115.6 90.7 109.1
小売価格
(前年度比)
350 344 296 310 221 216 210 227 216 215
150.4 119.4 106.9 98.4 100.9 97.7 97.2 108.1 95.2 101.4
資料:農林水産省「農業物価統計」、全農たまご東京M相場、総務省「小売物価統計」
注:小売価格は、14年7月よりMサイズ1㎏からLサイズ10個に変更


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