平成14年5月5日付記事の訂正のお願いについて

平成14年5月7日

読売新聞社
編集局長 殿

国立医薬品食品衛生研究所
食品衛生管理部
部長 山本茂貴


拝啓
 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。さて、早速ですが、私が平成14年5月2日に貴社の本間雅江記者に取材を受け、平成14年5月5日付けの貴紙に掲載された記事に関して以下の点を訂正していただきたくお願い申し上げます。

敬具



平成14年5月5日付記事の訂正のお願いについて

先日の取材による記事表題および一部内容について訂正文の掲載をお願いします。

1) 表題の「卵の生食 期限守っても食中毒の危険」と記事全体は食品衛生学会における発表の目的と異なり、卵の生食をすると食中毒になるとの印象を与えています。今回の学会発表の目的は限定されたデータを用いてリスクアセスメントのモデルを提唱することであり、食中毒の危険性を強調するものでも、また現実の対策の効果を正確に評価するものでもありません。今回の記事には取材の際にお話しした意図が伝わっていません。むしろ、消費者の安全確保を目的に今後行っていく予定である本格的なリスクアセスメントに対し、不信感を植え付けることにもなりかねません。訂正依頼があったことを掲載し、併せてサルモネラ属菌による食中毒は減少傾向にある現状を公平に伝えてください。
2) 本文中2ヶ所:生卵でサルモネラ菌食中毒になる人は年間約二万八千人にのぼると推定されており、と、ありますが、
 この推定数字はどこからも公表されたわけではなく、また我々も日本の実際の数値として推定したわけではありません。日本の実情を必ずしも反映しているわけではない海外のデータも含む、モデルデータを組み合わせた場合の仮の平均値であり、平均値自体に意味のあるものではありません。そのことを正確に伝えてください。
3) 本文中:国立医薬品食品衛生研究所は「新たな生食対策を考えていく必要がある」と警告を発している。と、ありますが、
 今回のリスクアセスメントは限定されたデータに基づく試行的なものであり、これだけのデータでは正確なリスクアセスメントを行ったとはいえず、方法論を示したに過ぎません。国立医薬品食品衛生研究所が消費者や厚生労働行政に警告を発したわけではありませんので、訂正してください。
4) 本文中:ただし、調理して食べる場合は、賞味期限の順守に効果があったという。と、ありますが、
 「調理した卵を含めた国際的リスクアセスメントモデルを使用した場合には7日間の消費期限の遵守に効果があった。」とご説明しました。しかし、このことは学会発表の内容には入っていませんので、誤解を避けるためにも修正をお願いします。
5) 採卵日の表示は義務づけされていませんので訂正してください。
以上 よろしくお願い申し上げます。

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