事 務 連 絡
平成25年4月5日

日鶏協 理事・監事  
中央会員団体
各県養鶏協会
会 員     
JEPA 理事・監事   
会 員     

各位
(社)日 本 養 鶏 協 会
(般)日本鶏卵生産者協会
  事  務  局



中国における鳥インフルエンザの人感染及び
死亡事例の発生報道について

前略
ご承知の通り先月末より各種マスコミを通じて中国における人の鳥インフルエンザウィルス(H7N9亜型)感染及び死亡例が報道されているところです。
 このため本会に対してもマスコミ等からの問合せがあり、その都度風評被害とならないように冷静な対応を求めているところであります。
 本病の人感染については国及び感染病対策としての危機管理対策の観点からウィルス性状及びワクチン開発等に関係機関及び研究者が情報収集及び技術的研究を行うことは当然のことであります。
 しかしながら、このことが我が鶏卵業界に風評被害の発生要因となることは看過できませんので、鶏卵関係者は特に以下の点にご留意の上、必要に応じ従業員、取引先、一般消費者に対して冷静な対応をお願いしたく宜しくお願い致します。

1.  インフルエンザウィルスのH5亜型、H7亜型の感染については、高病原性鳥インフルエンザとして家畜伝染病予防法に基づく法定伝染病と指定されていることから業界としては関心を有している。

2.  特にH 5N 1亜型についてはこれまで人感染死との関係からマスコミ、一般消費者にも関心の高いものとなっている。
 しかしながら本年3月12日現在各国からWHO(国連世界保健機関)に報告されている人感染(622人)及び死亡例(371人)は日本、米国、EUを除く開発途上国のみであり、家庭で生きた鳥を解体・調理する等の我が国とは全く異なった特殊な環境下における発生事例であること。
 従ってH5N1亜型については先進国においての人感染例は皆無(当然に死亡例はゼロ)であること。

3.  H 5亜型のみならずH 7亜型についても現時点においてウィルスが人感染型に変異したとの報告は未だないこと。

4.  マスコミ報道の中にはパンデミック(世界的大流行)の可能性、懸念に言及しているものが一部にあるが、極めて非現実的なものであること。
 20世紀に3回(スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪)、21世紀に入り、平成21年7月のメキシコ発のパンデミック(H1N1)2009があり、その最大の発生事例は、1918年のスペイン風邪(H1N1)で4,000~5,000万人死亡とされている。
しかし、このときは
  (1) 第一次世界大戦中であること
  (2) ワクチンの開発が未だなされていないこと
  (3) 2次感染対策として使用される抗生物質は皆無であること(最初の抗生物質ペニシリンの発見は1928年)
  (4) 防疫対策としての消毒薬等は未発達であったこと
    等の極めて特殊な社会環境下であったこと。
 従って、その後ワクチン開発、抗生物質開発を含めた科学技術的に進歩した後のパンデミックにおける死亡数はアジア風邪(1957年、100万人死亡)、香港風邪(1963年以降、70万人)と大幅に低下していること。

以上等を踏まえ関係各位においてはマスコミ報道に無用に振回されることなく冷静なる対応をお願い致します。

以上

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