- リアルタイムPCR手法の完全実施による24時間以内の移動制限の解除及び条件付きワクチンの導入
(1)防疫指針の内容を改定し、本病の確定診断機関としているつくば市の(独)動物衛生研究所(動衛研)に加えて各県の中央家畜保健衛生所を追加する。
(2)本病確定診断をウイルス分離のみとする現行手法に加えてリアルタイムPCR法を追加し、24時間以内の移動制限解除とする。
(3)野外ウイルス感染との鑑別手法としてのDIVA(EUで実施中)を導入する。
(4)本病ワクチンの条件付き使用
①本病の発生リスクの高まった地域・農場については、条件付きで本病ワクチンの使用を認める。
②本病ワクチンの選択権は使用者である養鶏生産者にあり、対象ワクチンは内外無差別とする。
③なお、既に承認の国産ワクチンについては輸入ワクチンと同一の基準・手法により再評価すること。
- 発生時の対応について
(1)本病発生に伴なう移動制限をEU並みの半径3㎞とする。(本病ウイルス及び鶏は日本及び欧米では実質的に同じものである。)
(2)高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の定義をOIE基準に合致させる。(高病原性に強毒型・弱毒型の区別はない。)
(3)発生農場及び移動制限・搬出制限に伴なう経済的損失についての補償の充実
本年、宮崎県下で発生した口蹄疫と同様に海外悪性伝染病である高病原性鳥インフルエンザについても同様に損害補償を10/10とすること。
- 本病対策に係る審議・検討内容の透明性確保
(1)家畜衛生部会及び家きん疾病小委員会の委員構成の変更
①現場実務に明るい研究者・技術者の委員を大幅に増加(1/2以上)させる。
②委員又は臨時委員として本病についての海外の国際的学者を追加する。
(2)同部会および同小委員会に係る資料及び審議内容は全て公開・公表する。
- 本病予防体制の充実
- 本病モニタリング・サーベイランス体制の充実 -
①野外又は屋外飼育の水禽類を中心としたサーベイランスを徹底し、野外インフルエンザウイルスの動向についての情報の収集・分析。
→ウイルス分離された事例については高病原性・低病原性の識別・リスク評価を実施し、必要に応じて警報を発する。
②感染リスクのより高い放し飼い・平飼い飼育鶏の定期的監視
③高病原性鳥インフルエンザ(強毒型)発生事例の早期発見体制と当該情報の養鶏生産者への迅速な通報・連絡体制の確立
- 家畜衛生組織の見直し
消費・安全局動物衛生課の全機能を生産局に移管させること。
現在の動物衛生課は規制中心とする業務運営のため畜産の振興・安定の視点は実質的に皆無に近い状態にある。