食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会家畜衛生部会
第27回家きん疾病小委員会の概要について

食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会家畜衛生部会
第27回家きん疾病小委員会(5月13日)

 


(概要)

1 委員の改選及び小委員長の選出について
 真鍋専門委員が新たに加わり、戸谷専門委員が退任され、委員長には引き続き喜田 委員が選出された。

2 野鳥からの高病原性鳥インフルエンザウイルス(強毒タイプ)の検出について

(1)これまでの対応

ア 環境省から野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された3事例(秋田県1、北海道2)の経緯及び野鳥のモニタリングの状況等について、厚生労働省から人への感染防止の注意喚起等について、事務局から家畜防疫対応等について説明。

イ 委員からは、次のような意見があった。

・ 野鳥におけるウイルスの確認を踏まえた養鶏場へのウイルスの侵入防止のための家畜衛生対策の徹底の取組等は迅速かつ的確に行われている。引き続き環境省が行う野鳥のモニタリング状況をみながら、飼養衛生管理の徹底、早期発見・早期通報等に努めること。

・ 養鶏場周辺に行う緊急的な消石灰等の散布は、消毒効果及び野生動物に対する忌避効果が知られており、防疫措置を行う上で有効である。

(2)ウイルス性状分析

ア 山口委員から、今回、我が国の野鳥から分離されたウイルスの性状分析を行った結果について次のように報告があった。

・ 分離されたウイルス(秋田株、北海道2株)はH5N1亜型であり、また鶏への接種試験にて高病原性であることが確認された。

・分離されたウイルスは、互いに遺伝子レベルで非常に近縁である。

・ 過去に国内で確認された高病原性鳥インフルエンザウイルス(山口株(平成16年分離)、宮崎株(平成19年分離))との比較では、遺伝子レベルで異なっており、過去に国内で確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスとは異なる。

・ 分離されたウイルスは、インドネシアやベトナムで流行しているウイルスとは異なる。

イ 委員からは次のような意見があった。

・ 近年海外で分離されたウイルスと遺伝子レベルで比較等を行うために引き続き関係国との情報交換が必要。

・ 分離されたウイルスの家きん等への感受性を確認するため、実験室内で感染実験を実施する必要がある。

(3)その他

・ 最後に今後も養鶏場における家畜防疫を行う上で、野鳥のモニタリング情報は非常に重要であることから、引き続き環境省などと連携を図りながら、一層の家畜衛生対策の向上に努めることとされた。

・ 現在の状況から、引き続き①飼養衛生管理の徹底、②水際検疫の強化などの防疫措置を継続する必要があるとされた。



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