抗 議 文

平成17年11月28日
抗 議 文
(株)フジテレビジョン
 代表取締役社長  村上 光一 殿
社団法人 日本卵業協会
会長 寺西 孝年
社団法人 日本種鶏孵卵協会
会長 赤木 紀元
全国鶏卵販売農業協同組合連合会
会長 池田 隆政
全国農業協同組合連合会
日本養鶏農業協同組合連合会
会長 末永 秀昭
協同組合 日本飼料工業会
会長 平野 宏
全国養鶏経営者会議
会長 石澤 直士
日本鶏卵産業協会
会長 中村 光夫
日本成鶏処理流通協議会
会長 宮本 一彦
日本鶏卵生産者協会
会長 梅原 宏保
(代表)社団法人 日本養鶏協会 会長 梅原 宏保
 
 我が国養鶏産業は多年に亘り国民に広く安価かつ良質な鶏卵を生産供給するとともに、鶏卵の国内自給率95%を持続的に確保・維持することにより国内農業生産の基幹的部門の一翼を担っているところである。
 しかしながら、鶏卵は一般に広く"物価の優等生"との表現に代表されているが、これは養鶏生産者を始めとする鶏卵関係者が、自由化農産物として常に厳しい経営環境下で日夜経営努力することにより得られたコスト低減の所産によるものである。
 養鶏産業界は最近の消費者等の食の安全・安心への関心の急速な高まり等を受け、従来にもまして安全・良質な鶏卵の生産に努めているところである。
 更に、昨年来の鳥インフルエンザの発生及びこれに係る報道等により全国の消費者及び養鶏関係者に大きな不安と関心を呼び起こしているところである。
 このため、養鶏団体としても現在、発生県をはじめとする全国の養鶏生産者に対し国・県の本病防疫対策への全面的な協力要請・指導を行っているところであるが、全国の養鶏生産者は最近の養鶏を巡るこのような情勢に極めて不安な心理状況下におかれている。
 こうしたなか、御社の去る11月11日放送の"幸せって何だっけ"の番組中において出演の細木数子氏が現在の養鶏の産業及び技術体系とは全く乖離した下記事項を内容とする発言を行ったことから、関係の養鶏関係団体に全国の養鶏生産者等から極めて激しい反発・抗議が寄せられているところである。
 以上のこと等から、公共性が極めて高い電波を使用し、かつ影響力も大きい全国ネットワークを有する御社が何故に科学技術論的にもあり得ない内容で鶏卵への不信を誘発する報道を行ったことについて強く抗議するとともに、その理由及び本件についての今後の具体的な対応等について早急に回答願いたい。


細木数子氏の発言要旨とこれに対する反論
 鶏卵を8~9円/ヶと安く生産できることはあり得なく恐ろしいことである。これは生産者・販売者と消費者の三者凡退の罪悪である。
 このように鶏卵が安い理由は

1.養鶏場では24時間明かりをつけて夜もない状態で生産させているからである。
【反論】
(1)鶏卵が安価に供給できるのは、鶏の改良による能力向上と経営規模拡大によるものである。
(2)鶏舎内の照明は、季節による日長時間の変動を是正するため一定時間にしているものであり、24時間連続点灯するものではない。

2.鶏の生産用の食べ物は殆んどが薬でできており、このような卵を食べると皆病気になってしまう。
【反論】
 薬事法(昭和35年、法律145号)第83条の2に基づく省令第3条により鶏等の畜産動物には抗生物質等の使用が規制されている。このため抗生物質等の薬物を使用しての鶏卵等生産物の出荷は法律違反となる。
 従って、食の安全・安心が強く叫ばれる現在において、養鶏生産者が法律に違反してまで薬物投与を行って鶏卵の生産・出荷をすることはあり得ない。

3.鶏に1日2~3個もの卵を産ませている。
【反論】
 鶏の産卵周期は24時間±αを基本とするものである。
 このため、鶏は1日に1個の産卵が基本となる。稀に1日に2個産卵することがあるが、この場合には翌日は休産することとなる。
 又、1日2~3個を産卵する鶏の存在は国内のみならず、世界的にも皆無の実態にある。


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