家禽ペスト(鳥インフルエンザ)等に係る対策強化に関する要望書の提出について
農林水産省生産局長 須 賀 田 菊 仁 殿 農林水産省総合食料局長 西 藤 久 三 殿 厚生労働省医薬局食品保健部長 尾 嵜 新 平 殿 |
|||
家禽ペスト(鳥インフルエンザ)等に 係る対策強化に関する |
|||
要望書 (第2次) |
|||
平成14年2月
|
家禽ペスト(鳥インフルエンザ)等対策の強化について
趣 旨
我が国の養鶏は、鶏卵については国内自給率96%を維持し、一人当りの鶏卵消費量は世界最高水準に達し、食鳥産業についても国内自給率65%を維持するなど我が国食料生産の重要な一翼を担っております。
こうしたなか、標記の件については昨年6月7日に農林水産省が発表した香港・マカオにおける鳥インフルエンザの発生に伴う"中国からの家禽肉等の一時輸入停止措置"が講じられ、引き続き8月7日にはこの輸入停止措置の一部解除が行われました。しかしながらその後の輸入検査等において中国産鶏肉等から鳥インフルエンザウイルスが検出されるとともに、11月以降には米国においても連続して鳥インフルエンザウイルス(
家禽ペスト型 )の確認及び一時輸入停止等が報告されております。
我が国における鳥インフルエンザ( 家禽ペスト型 )については、1924年が最終発生とされておりますが、近年における国際貿易の急速な進展による農産物の急速な輸入増の一環として鶏卵、鶏肉についても同様の増加傾向にあることから、当該疾病の侵入については我が国養鶏業界、食鳥業界としても強い関心を有しているところであります。特に、1997年12月に香港で発生し人間に致死性を示した家禽ペスト(
H5N1 、以下「香港型インフルエンザ」という)については、昨年9月以降にみられる我が国のBSE確認以後の風評被害も加わっての畜産及び関連産業への影響の甚大さを考慮すると、前記「香港型インフルエンザ」の国内発生時における同様問題の誘発を強く懸念するものであります。
更に今般、EUは残留を認めていない抗生物質等の検出を理由にした中国産食肉等の一時輸入停止の決定がマスコミで報道される等により食品の安全性確保の重要性がこれまで以上に一般の関心を高めるなど、我が国養鶏業界及び食鳥業界を巡る情勢が急速に展開しているところであります。
つきましては、前記「香港型インフルエンザ」を中心とする強毒型インフルエンザの我が国への侵入防止等を図り、我が国養鶏産業及び食鳥産業の安定的発展を維持・確保するため次の事項について特段のご配慮をお願い申し上げます。
記
1. 特に「香港型インフルエンザ」を中心とする強毒型インフルエンザ等の侵入防止のため輸入検査等の国境措置に万全を期すこと。
2. 不可抗力等による強毒型インフルエンザの国内侵入時の早期確認のためのモニタリング体制および発生時対策等の防疫体制の早期確立を期すこと。また、併せて鶏病研究体制の整備強化を図ること。
3. EUと同様に、輸入鶏卵、鶏肉については、国内で承認されていない抗生物質、合成抗菌剤等の残留についての輸入検査体制を強化すること。
4. 前記理由、及び最近における一部企業による食品表示の偽造問題もあり、輸入鶏卵、鶏肉の原産国表示が適正に行われるよう監視体制の強化や制度の実効性確保措置の充実等について検討すること。
5. 「BSEいわゆる狂牛病」における呼称の経験から、家畜伝染病予防法(昭和26年,法律第166号)の「家禽ペスト」の呼称について一定の改善を願いたい。
平成14年2月27日
(代表) 社団法人 日本養鶏協会