- インフルエンザウイルスは、馬・アザラシ・鯨を含めた各種動物に感染する。
- 本来的にはインフルエンザウイルスは野生の鳥類(水禽類)が保有している。
参考: |
野生カモによる調査事例のウイルス分離率
幼鳥 20%、成鳥 1%以下。 |
- インフルエンザウイルスは体内で増殖 → 糞中に排泄 → 水中(にも存在)
- インフルエンザウイルス型には、H1~15の15種存在
この内で、警戒すべき強毒タイプはH5、H7、H9の3種。
- 特に関心の高いインフルエンザ発生事例の型
1983年の米国ペンシルベニア州の例 H5N2
1997年の香港の例 H5N1(人間にも感染、死亡例)
- 野鳥が入ってこない鶏舎形態ではインフルエンザ発生の可能性は低い。
- アメリカ、香港にある各種鳥類を扱う生鳥市場の存在はインフルエンザ発生の観点からは極めて危険。
- インフルエンザ初発時の養鶏場での発生報告及びその対応(殺処分)が迅速に行なわれれば(比較的?)安全。
- 弱毒ウイルスであっても強毒ウイルスに変化する可能性が強い。
参考: |
1993年のメキシコでの発生例は、弱毒段階のものが全国に拡大汚染して1995年12月に強毒化した。 |
- ワクチン(不活化)は有効であるが、発生時においてはワクチン接種よりも殺処分が最も有効。
- 弱毒のH5,H7は必ず2年以内には強毒タイプに変化する。弱毒段階の感染鶏のうちに殺処分すべきである。
- 鶏卵内に移行するウイルス(1~10個程度)レベルでは発病にまでは至らない。
- 発生時対応としての
(1) 周辺養鶏農場のワクチン接種と
(2)周辺養鶏場の鶏殺処分の防疫上の意義は同等レベルのものである。
- このウイルスは乾燥及び石鹸に弱いことが特徴。凍結では長期間生存。
- (鶏卵、鶏肉については、日本の衛生水準からみてほとんど問題ないが、加熱して食用すればさらに問題はない。)
注 |
(1) |
当該講演内容は河岡教授の講演を聴講して、(社)日本養鶏協会事務局の理解のもとに独自に作成したものである。 |
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(2) |
このため、講演者本人の趣旨、意図と齟齬(そご)をきたす可能性があることは予めご了解願いたい。 |
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