人間がからだを動かすためには、筋肉内でエネルギーをつくり出す必要があります。その源はグリコーゲンであり、ごはんなどに含まれる糖質からつくられます。グリコーゲンはエネルギーに変わる際、乳酸という物質を発生させます。この乳酸が筋肉内に蓄積されることで、筋肉疲労が起こるのです。「翌日まで疲れが抜けない」という場合、この乳酸が翌日まで残っていることが大きな原因といわれています。
 
 筋肉疲労や筋肉痛を軽減するには、イソロイシン、ロイシン、バリン、アルギニンなどのアミノ酸が効果的です。これらは、筋肉に直接届いてエネルギー源となりますが、エネルギーとなる際に乳酸を発生しないため、筋肉疲労がほとんど起こらないのです。たまごのアミノ酸が、毎日のからだの疲労をリフレッシュしてくれます。

■筋肉でエネルギーが生まれる仕組み

 たまごにたっぷり含まれるアミノ酸は、筋肉に残った疲労をとるのに役立ちます。その疲労回復のメカニズムをみてみましょう。

■疲労回復のメカニズムとアミノ酸
豚肉と玉ねぎのエスニックかき玉スープ

●材料(2人分)
・豚ももうす切り肉 60g(細切りに。) ・玉ねぎ 1/4個(うす切りに。)
・しょうが 1/4かけ(うす切りに。) ・にんにく 1かけ(うす切りに。)
・赤唐辛子 1本(斜め半分に切って種をとる。)
・鶏がらスープ 大さじ1/2 ・水 2と1/2 カップ ・ナンプラー 大さじ1
・レモン汁 大さじ2 ・塩、こしょう 各少々 ・たまご2個(割りほぐす。)
・香菜 少々(あらくきざむ。)


●つくり方
鍋に鶏がらスープ、水、 にんにく、しょうが、赤 唐辛子、玉ねぎを入れて煮る。
煮立ったら豚肉をほぐして加え、火が通ったら、ときたまごを回し入れる。
たまごが固まったら、ナンプラー、レモン汁、塩、こしょうで味を整え、香菜を散らす。

ひき肉とニラ入り卵焼き

●材料(2人分)
・豚ひき肉 100g ・ニラ 1/4束(細かくきざむ。)
・ごま油 小さじ1/2 ・しょうゆ 小さじ1
・塩、こしょう 各少々 ・たまご 3個(割りほぐす。)
・サラダ油 適宜

●つくり方
フライパンにごま油を熱し、豚ひき肉を炒めてポロポロになったらニラを加えてサッと炒め、しょうゆ、塩、こしょうで味を整える。
たまごに①を冷ましてから加え、厚焼きたまご状 に焼き上げる。
 アルコールは肝臓で分解されアセトアルデヒドになります。さらに酸化して酢酸となり、最後に水と炭酸ガスに分解され、体外へと排出されます。疲労やストレスによって肝機能が低下してしまうと、アセトアルデヒドの処理がうまくできないために、悪酔いやひどい二日酔いに悩まされることになります。
 そこで、肝臓の解毒作用にはグルタミン酸とシステイン、グリシンという3種のアミノ酸が結合してできたグルタチオンが活躍してくれます。
 これらのアミノ酸のほかに、アルコールの分解や燃焼を助けるビタミンB群もたっぷり含むたまご料理をおつまみにして、からだによいお酒を楽しみましょう。



クラムチャウダーの落としたまご

●材料(2人分)
・あさり水煮缶(むき身) 50g
・じゃがいも 1/2個(1cm角に切り、水にさらす。)
・玉ねぎ 1/4個(1cm角に切る。) ・にんじん 1/4本 (1cm角に切る。)
・しいたけ 2枚(1cm角に切る。) ・バター 小さじ1 ・小麦粉 小さじ2 ・コンソメ顆粒 小さじ1/2 ・缶汁、水 各1/2カップ・牛乳 1カップ ・塩、こしょう 各少々・パセリのみじん切り 少々 ・たまご 2個


●つくり方
鍋を熱してバターをとかし、玉ねぎを炒める。しんなりとしたらにんじん、じゃがいも、しいたけを加えて炒める。
油がまわったら小麦粉をふり入れてよく炒める。
コンソメ顆粒、あさりの水煮缶の汁、水を加え、ふたをして野菜が柔らかくなるまで煮る。
牛乳を少しずつ加えてなじませ、全部加えたらアサリを入れてひと煮し、たまごを割り入れ半熟状に仕上げる。器に盛り、パセリのみじん切りを散らす。

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