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私たちのからだは、約60%が水分、約20%がたんぱく質、残りは炭水化物や脂質、ミネラルなどでできています。なかでもたんぱく質は、体内で筋肉や臓器、皮膚や髪、血液などの成分となります。このたんぱく質をつくっているのがアミノ酸です。
たんぱく質は、体内で分解されては合成されるという新陳代謝をくり返していて、人間のからだは、たえずつくり直されているのです。 |
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たんぱく質をつくっているのは20種類のアミノ酸です。そのうち人間の体内で合成できないために、食事から必要量をとらなければならないアミノ酸が9種類あります。これらを「必須アミノ酸」と呼びます(乳幼児や子どもはもう1種類多くなります)。その他の体内で合成できるものを「非必須アミノ酸」と呼びます。
たまごのたんぱく質は、すべての食品のなかでも量的にも、質的にも最も優れています。それは、たんぱく質をつくるうえで大切な、この9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれているからです。 |
■ たまごに含まれるアミノ酸の種類
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必須アミノ酸(体内で合成不可) |
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非必須アミノ酸(体内で合成可) |
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イソロイシン
ロイシン
バリン
スレオニン
メチオニン
フェニルアラニン
トリプトファン
リジン
ヒスチジン |
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◎アルギニン
グリシン
アラニン
セリン
アスパラギン
グルタミン
システイン
プロリン
チロシン
アスパラギン酸
グルタミン酸
◎子どもの場合は必須アミノ酸 |
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食品たんぱく質の栄養価を科学的に示す方法として「アミノ酸スコア」があります。人間のからだにとって理想とされる必須アミノ酸の量に対して、その食品に含まれている必須アミノ酸の割合を算出します。
すべての必須アミノ酸が必要とされる量を満たしている場合に、アミノ酸スコアは100になります。つまり、アミノ酸スコアが100に近いほど、良質のたんぱく質であり、言うまでもなくたまごはアミノ酸スコアが100です。 |
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たんぱく質とアミノ酸の研究が進むにつれて、一つひとつのアミノ酸がさまざまな働きをもっていることがわかってきました。これまで、あまり注目されていなかった非必須アミノ酸にも重要な働きのあることが解明されてきており、アミノ酸の生体機能に大きな関心が集まっています。
私たちのからだはアミノ酸が欠乏すると、免疫力が低下したり、疲れやすくなったり、肌荒れなどをはじめ多くの健康障害を起こします。不規則になりがちな現代人の食生活のなかで、アミノ酸パワーいっぱいのたまごは不可欠な食品といえます。 |
■たまごに含まれるアミノ酸の種類とその機能
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分岐鎖アミノ酸(BCAA) (イソロイシン、ロイシン、バリン) |
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・筋タンパク分解抑制 ・肝保護
・インスリン分泌促進 ・糖尿病改善 |
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スレオニン |
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・胃炎改善 ・筋緊張亢進の抑制 |
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メチオニン |
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・肝保護 ・成長ホルモン分泌促進
・腎炎改善 ・動脈硬化抑制 |
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フェニルアラニン |
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・抗うつ作用 ・発がん抑制 |
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トリプトファン |
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・催眠導入効果 ・鎮痛作用 ・抗うつ作用 |
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リジン |
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・糖尿病性白内障予防 ・骨粗鬆症予防 |
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ヒスチジン |
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・亜鉛不足による記憶障害の改善 ・抗うつ作用 |
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アルギニン◎ |
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・筋肉増強作用 ・成長ホルモン分泌促進
・動脈硬化予防 ・高血圧抑制 ・インスリン分泌抑制 ・糖尿病での脂質過酸化抑制・肝保護 ・腸管保護 ・免疫増強
・心機能改善 ・血管拡張 ・高脂血症患者の血流改善 |
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グリシン |
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・アルコール性肝障害抑制 ・抗潰瘍作用 |
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アラニン |
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・肝保護 ・下痢時の症状緩和 |
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セリン |
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・胃酸分泌抑制 ・胃粘膜保護 |
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アスパラギン |
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・運動持久力向上 ・インスリン分泌促進
・運動能向上 ・脳のグルタミン増加作用
・成長ホルモン分泌促進 |
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グルタミン |
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・腸管保護 ・免疫増強 ・抗うつ作用
・筋タンパク分解抑制 ・胃粘膜保護
・成長ホルモン分泌抑制 ・記憶障害改善 |
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システイン |
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・胃粘膜保護 ・皮膚保護 ・美白作用 ・糖尿病改善 |
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プロリン |
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・肝細胞増殖因子 ・皮膚の天然保湿因子 |
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チロシン |
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・交感神経の活性化 ・ストレスの軽減 |
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アスパラギン酸 |
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・肝保護 ・エネルギー源 |
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グルタミン酸 |
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・機能はグルタミンと同じ。 |
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■必須アミノ酸(体内で合成不可) ■非必須アミノ酸(体内で合成可)
◎乳幼児や子どもの場合は必須アミノ酸。 |